職人のはなしの記事一覧 | 東京・世田谷の工務店|新築・注文住宅やエコリフォームなら【リフォームラボ】

日記

昭和女子大学の建築学科に無垢の木の仕事を

2015年6月3日

私たちの材木屋さん小川木材さんの林場に、今年も昭和女子大学の建築科の方たちが来られました。 

先生を筆頭に、皆さん伊東棟梁の説明を一生懸命聞いて頂きました。
今回は、四方蟻と言う今では珍しい刻み方も見ていただきました。

そして、お土産は片面はそのまま、片面はかんなでけずった、無垢材のプチまな板。

かんな削りの表面のすべすべ感、今まで感じたことのない感触、その違いににみなさん大感激!
今ではあまり触れる事の出来ない鉋仕上げ、機械とは一味もふた味も違う、職人ならではの仕事です。

IMG_3360.JPG

IMG_3363.JPG

 

IMG_3365.JPG

 

IMG_3350.JPG

 

 

無垢を扱うという仕事 無駄とみるか余白とみるか・・・

2015年5月12日

11226021_862968680441788_7245918306950487510_n.jpgこの写真のベンチは、無垢の杉の「端材」でつくりました。

無垢材は、割れが入ったり、節があったり・・・
製材所さんも、そして大工さんも、それを見越して、余分をみます。

なので、結果的には結構な寸法の半端な材料がでます。
 

無駄が出ないように、きっちり。

という訳にはいかないのが、「余白」となって、こんな素敵なおまけができます。

工業系の住宅メーカーさんは、1円の無駄もださないように、きっちり、きっちり。だそうですが・・・

無垢を扱う職人の仕事だからこそ、こんな無駄を「素敵なおまけ」に変えられることも、悪くないです。

 

 

 

 

お寺はなぜ壊れない 木暮人職人倶楽部:・東大実験その2

2013年4月3日

 

 

IMG_7831s.jpg

 

昨年の3月から始まった、関東大震災で壊れなった建長寺の法堂の研究。
今回は試験体が壊れる限界までの実験を見学させていただきました。

6時間を超え負荷をかけて行く中で、実験データをみる先生が「なにこれ!」
と驚かれていらっしゃいました。、

それは一部が壊れても、また復元を繰り返しているという事でした。

かつての人工乾燥であるに違いない試験体がぽっきり折れてしまうのとは、様子が違うようでした。

試験体は天竜の天然乾燥の杉材です。

ここで安易に天然乾燥材や杉材の優位性を結論づけることは出来ませんが、何時間も試験体を見つめる
中で、メリメリと音を立てて一部が割れながら、靱のようなしなやかさで、もとに戻ろうとする杉。

油分が残っている繊維質の杉材ならでは粘り。を目の当たりにしました。

見学をしている人から、「これって日本人だよね。」という声も聞こえました。

試験体の製作は、職人の仕事です。

丁寧に手入れされた道具「のみ」や「げんのう」を使い、当たり前の仕事として仕掛けをつくった
大工職人が、そしてその後ろには道具をつくった職人がいます。

 

このことは、目の前にある事実です。

先人の知恵で培われた、職人の知恵、天然由来の無垢の木や伝統構法のすばらしさ。
ということに少しでも多くの方が関心を持っていただければと願います。

下の写真は、向かって右はけやき・左は杉の試験体。
同様の条件での実験ですが、けやきは固定するボルトのところまで、ばっかり割れています。

堅牢な材のけやきは、いったんダメージを受けると割れてしまうようです。 
 

 IMG_7827s.jpg

 東大の藤田先生と研究室のみなさん 実験の見学をさせていただきありがうございます。
そして木暮人 職人倶楽部のみなさんでした。

 

 

 P1020498s.jpg

お寺はなぜ壊れない 木暮人職人倶楽部:・東大編

2013年3月1日

 P1020147ss.jpg2012年11月27日 東大研究室で藤田先生からレントゲン撮影の結果を聴く、二橋棟梁と落合さん、伊東大工。

 

 

今から約1年前の3月、木暮人職人倶楽部で東大の藤田香織さんの研究現場の鎌倉の建長寺にお邪魔しました。

関東大震災で壊れなかった建長寺の法堂の謎を解明する研究活動が地道に続けられる中、二橋棟梁、伊東・佐野・平沢の3大工。天竜TSドライの榊原さん、設計の落合さんの協力のもと、数度の打ち合わせを重ね、試験体の製作を行い、2月の末から破壊実験が始まりました。

建長寺の調査から1年、伝統構法の研究は地道に・地道におこなわれています。

1300年前から培われた木の建築技術を解明することは、こういった地道な研究活動の積み重ねなのでしょう。
気の遠くなるような研究活動は、一人の人が一生かかっても結論はでないのかもしれません。

しかしながら、
こういった活動を継続し、次世代に継承することこそ人だけがもつ知恵を未来につなげる大事なことだなぁ。っと感じました。

この活動はこれからも、まだまだ続き、そして次世代につながる活動になるようにと願います。

 DSC02321.jpg
1月14日 仕事の合間をぬっては試験体の製作をする、伊東くんと佐野くん。
 

DSC02361s.jpg
1月19日 壊すための試験体ですが、天竜・天然乾燥のピカピカの杉に丁寧にカンナをかける平沢君。
この日は東京も雪という寒い日でした。

P1020343s.jpg
2013年2月27日の実験。工場のような地下の実験室に試験体の杉が、集中治療室のようなセンサーを一杯つけられ、何時間も様々な方向から荷重をかけられ、計測を続けます。

P1020324s.jpg
メリメリを音を立てながらも、繊維の強い杉は、荷重を開放すると戻る力がありました。がんばれ杉!!

  P1020355s.jpg
実験中にもかかわらず、快く記念撮影に応じていただいた、藤田先生と研究生のみなさま、ありがとうございました!!!

 

 

 

お寺はなぜ壊れない 木暮人職人倶楽部:・建長寺編

2012年3月23日

s.jpg 

 

先日、木暮人職人倶楽部で、

木造建築の文化財の構造や耐震性を研究していらっしゃる、

東大の藤田香織さんの研究現場の鎌倉の建長寺にお邪魔してきました。

建長寺法堂は江戸後期に再建されたものだそうですが、

関東大震災で他の建物が倒壊したにも関わらず、このお堂は倒壊をしなかったそうです。

 

今回はこの法堂をファイバースコープやレントゲンを使って、内部構造を解明しようということです。

 先人の足跡を丁寧にひも解くこの作業、気の遠くなるようなことですね。

私たちが今目の前で見ることができる建物は、様々な天災や人災を潜り抜けて生き残った建物たちです。

 

藤田香織さんの言葉が心に残ります。

 

現代と同じように、当時も宮大工とはいえ、材料の選び方の違いや、うまい大工と下手な大工がいたのでしょうね。

 

法隆寺五重の塔も、1300年にわたり最古の木造建築物として残っています。

世界で現存する建築物は木造だそうです。

 

そこにはなにか奇跡や、秘密があるのでしょうか?

 

先人が培ってきた知恵や技術を口伝により引き継いでいる、

袋井の二橋棟梁の言葉は、その奇跡や秘密はある意味、「必然」のようにも思えます。

 

 

適材適所で、責任と誇りをもつ確かな技術と探究心をもつ職人、そしてそれを支える多くの人々の力

によって、ごくごく当たり前のものとして、形づくれたものが、

 

ほんの少しの奇跡。があって今そこに存在するような気がします。

 

職人倶楽部のミッションは、

 

木の力。職人の力。これらを次の世代に引き継がなくてはいけない。とお堂をみるにつけ、感じました。

 

そして、

藤田先生のような方が木の建築のすばらしさを伝えていただくこと、そして忙しい研究現場にお邪魔していろいろ教えていただきましたこと、心より感謝いたします。

 

そして、参加してくれた大工の佐野君が、建長寺の木組みはこんな感じかな~と再現してくれました。
現代の若き棟梁も隅に置けません!
 

 

木組み.png

 

 

玄関ニッチを珪藻土で

2010年6月6日

 

ニッチ.jpg

 

 

 ご両親から受け継いだお住まいを大切にするお施主さまの改修のご紹介です。
 

筋交いとスィッチの間の小さな空間を利用して、玄関の壁にニッチを作りました。

いつもお願いしている珪藻土の職人のゆきちゃんと、藤元くんが今回も、すばらしい仕事をしてくれました。
小さな空間ですが、無垢の杉のカウンターと、お客さまと相談しながら決めた珪藻土のメリハリのある文様が、さりげなくも存在感のある場所になりました。
 

お客さまをお迎えする素敵な空間として、これから活躍してくれますように!


 

 

ニッチ縦.jpg

車知継ぎ

2010年4月27日

車知00.jpg

 車知継ぎ

柱を中心に、引き合う構架材で使う継 ぎ手。

 

車知01.jpg

車知02.jpg

 

車知03.jpg 車知04.jpg

車知05.jpg 車知06.jpg

車知07.jpg

 

 

 

金物に頼らない木組みの技術 金輪継ぎ

2010年4月27日

金輪継ぎ手00.jpg

 大工さんいわく、最強の継ぎ手。

込み栓をうつことで、一本の材のような強度となり、ひっぱりやねじれにも最強の継ぎ手です。

柱梁のいずれの方向にも有効なので、通し柱の長さが足りないところにも使わました。

複雑な形状なので、大工さんの技術が問われる継ぎ手です。

 

金輪継ぎ手01.jpg 金輪継ぎ手02.jpg

金輪継ぎ手03.jpg 金輪継ぎ手04.jpg

 

 

金物に頼らない木組みの技術 台持ち継ぎに長いほぞ

2010年4月27日

 

台持ちと長いほぞ00.jpg

 

 一階部分の梁は台持ち継ぎで継がれ、その上に2階部分の柱がのります。

一般的な台持ち継ぎは、ダボとボルトで留められますが、ここでは、芯に柱からの長いほぞが梁の上場ないし途中まで通っています。

 

これは、代々大工職人の熊谷棟梁の先代のおじいさんが考え出した仕掛けだそうです。

芯に下の柱の長いホゾが通っているのですから、抜けることは絶対ありません。

またねじれに強いねばりのある仕掛けになっています。

台持ち継ぎ自体が、

繊細で精度の高い技術を必要とする為、プレカットではできない継ぎ手ですが、この仕事は更に、刻みの手順や穴のあけ方など熟練のノウハウと手間のかかる仕事で、今の時代に手がける人は少ないそうですが、後世にも繋げていきたい、真に木の性質を見抜いた、大工職人の知恵です。

 

台持ちと長いほぞ01.jpg 台持ちと長いほぞ02.jpg

台持ちと長いほぞ03.jpg 台持ちと長いほぞ04.jpg

 

 

職人の道具

2010年4月26日

 大工の道具は、手の延長です。柄ひとつ、重さや形まで使う人の手にあわせ、手をいれて命が吹き込まれています。

大工のノミは、いとも簡単に指を落としてしまうほど、鋭利で危険なものですが、その道具で人を傷つけたりする事はありません。

毎朝道具や機械を揃え、刃物を研ぎ、仕事が終われば、掃除をして元の道具入れにしまいます。

毎日毎日研いでも、カンナの刃をきちんと研げるまでには、5年かかるともいわれます。

その道具は、世界に誇れる日本の鍛冶や目立ての職人によって作られてきましたが、その後継者が減っているのも現実です。

手刻みの現場でも、すべてがノミ・のこぎり・カンナ等で手作業をするわけではありません。電動機械を使う場面もあります。人の目を通し、状況に応じ道具を使い分けます。

材木の種類や、性質によっても道具を使い分けます。

杉材は、現在流通する国産材の代表格ですが、大工さんにとっては、たいへん苦労をする材でもあります。道具を使い分けることで、納得いく仕事をするのです。

そして日々仕事がどうやってはかどるかを考える創意工夫があります。

 

 

職人の道具00.jpg

 

親方の研ぎハコ。常に水をはったこの木の箱から水が漏れることはないのが親方のちょっとした自慢です。

 

職人の道具01.jpg

 

毎朝の仕事は研ぎモノから始まります。

 

職人の道具02.JPG 職人の道具03.JPG

 

左右の角に合うように作られた双子のノミとカンナ

 

職人の道具04.JPG 職人の道具05.JPG

 

巾3寸を超える巨大なノミ。沢山の刻みをする時にはこのノミが大活躍ですが、研ぐのも一苦労のようです。

 

職人の道具06.JPG 職人の道具07.JPG

 

せまい場所にのこぎりを入れる為ため、先を細くしたのこぎり。

 

職人の道具08.JPG 職人の道具09.JPG

 

角のみ機/ほぞとり機等の電動機械も活躍します。

 

職人の道具10.JPG

 

創意工夫の中からの発明品。これが何の為に使うものかわかった方は、是非ご連絡ください。

 

このページのトップへ

天然国産材のオーガニックエコな家つくり

地域に生きる一員として、地域環境に調和し、安全・安心・快適で、自然と共生する持続可能な循環型の家つくりを目指します。

ギャラリー
サブパーツ : バナー