大工の道具は、手の延長です。柄ひとつ、重さや形まで使う人の手にあわせ、手をいれて命が吹き込まれています。
大工のノミは、いとも簡単に指を落としてしまうほど、鋭利で危険なものですが、その道具で人を傷つけたりする事はありません。
毎朝道具や機械を揃え、刃物を研ぎ、仕事が終われば、掃除をして元の道具入れにしまいます。
毎日毎日研いでも、カンナの刃をきちんと研げるまでには、5年かかるともいわれます。
その道具は、世界に誇れる日本の鍛冶や目立ての職人によって作られてきましたが、その後継者が減っているのも現実です。
手刻みの現場でも、すべてがノミ・のこぎり・カンナ等で手作業をするわけではありません。電動機械を使う場面もあります。人の目を通し、状況に応じ道具を使い分けます。
材木の種類や、性質によっても道具を使い分けます。
杉材は、現在流通する国産材の代表格ですが、大工さんにとっては、たいへん苦労をする材でもあります。道具を使い分けることで、納得いく仕事をするのです。
そして日々仕事がどうやってはかどるかを考える創意工夫があります。
親方の研ぎハコ。常に水をはったこの木の箱から水が漏れることはないのが親方のちょっとした自慢です。
毎朝の仕事は研ぎモノから始まります。
左右の角に合うように作られた双子のノミとカンナ。
巾3寸を超える巨大なノミ。沢山の刻みをする時にはこのノミが大活躍ですが、研ぐのも一苦労のようです。
せまい場所にのこぎりを入れる為ため、先を細くしたのこぎり。
角のみ機/ほぞとり機等の電動機械も活躍します。
創意工夫の中からの発明品。これが何の為に使うものかわかった方は、是非ご連絡ください。