先日、木暮人職人倶楽部で、
木造建築の文化財の構造や耐震性を研究していらっしゃる、
東大の藤田香織さんの研究現場の鎌倉の建長寺にお邪魔してきました。
建長寺法堂は江戸後期に再建されたものだそうですが、
関東大震災で他の建物が倒壊したにも関わらず、このお堂は倒壊をしなかったそうです。
今回はこの法堂をファイバースコープやレントゲンを使って、内部構造を解明しようということです。
先人の足跡を丁寧にひも解くこの作業、気の遠くなるようなことですね。
私たちが今目の前で見ることができる建物は、様々な天災や人災を潜り抜けて生き残った建物たちです。
藤田香織さんの言葉が心に残ります。
現代と同じように、当時も宮大工とはいえ、材料の選び方の違いや、うまい大工と下手な大工がいたのでしょうね。
法隆寺五重の塔も、1300年にわたり最古の木造建築物として残っています。
世界で現存する建築物は木造だそうです。
そこにはなにか奇跡や、秘密があるのでしょうか?
先人が培ってきた知恵や技術を口伝により引き継いでいる、
袋井の二橋棟梁の言葉は、その奇跡や秘密はある意味、「必然」のようにも思えます。
適材適所で、責任と誇りをもつ確かな技術と探究心をもつ職人、そしてそれを支える多くの人々の力
によって、ごくごく当たり前のものとして、形づくれたものが、
ほんの少しの奇跡。があって今そこに存在するような気がします。
職人倶楽部のミッションは、
木の力。職人の力。これらを次の世代に引き継がなくてはいけない。とお堂をみるにつけ、感じました。
そして、
藤田先生のような方が木の建築のすばらしさを伝えていただくこと、そして忙しい研究現場にお邪魔していろいろ教えていただきましたこと、心より感謝いたします。
そして、参加してくれた大工の佐野君が、建長寺の木組みはこんな感じかな~と再現してくれました。
現代の若き棟梁も隅に置けません!