お知らせ
大森山王の家完成しました
2012年1月30日
今週末はお施主さまのご厚意により、大森山王のお住まいの見学会をさせていただきました。 冷たい風の吹く、寒さの厳しいところ、ご来場いただきましてありがとうございました。 都会の街並みに溶け込みながら、大きな主張はしないシックな外観に対し、
内部は無垢の木をふんだんに使い、ゆったりと温かみのある空間で、
冬は自然の日の光が一日中いろんな形で入ってくる、明るいリビングは居心地の良い空間です。
木の家整備促進事業の補助金を適用にて、長期優良住宅仕様で、
断熱性能や耐震等級などの住宅性能も充実しているので、快適性や安全性の高いお住まい
となりました。
中野の現場が竣工しました
2011年12月24日
昨年の秋にお目にかかってから、ほぼ一年とちょっと。
中野のお客さまのお住まいが完成しました。
設計は田中敏博建築設計事務所。
田中さん(ちなみに田中先生は、先生を呼ばれるのを、拒まれます)、そして担当の木下さんとは、本当に貴重な貴重な経験をさせていただきました。
田中さんの設計は、
端正で美しいことはもちろんですが、妥協なく、お施主さまに寄り添って、くらしということをとても大切に考えられます。
そして現場には足しげく足を運んでいただき、職人さんにも、大変な気配りをしていただきました。
この場を借りて、田中さん、木下さんをはじめスタッフのみなさん。
そして、この現場に携わったすべての職人さん、多くの方々に感謝いたします。
そしてお施主さまが、いつまでも快適に暮らせるよう、これからは家守りとして見守ってまいります。
写真は、リビングに続く和室。
襖紙は内側が金で。外が銀。とても品のある金銀です。
二枚目は、向かって一番右のイケメンさんが、田中さんの事務所の木下さん、そして私たちスタッフです。
これからのすまいづくりの為「便利に頼る無能の時代から、不便を楽しむ知恵の時代に。」
2011年9月6日
今から200年ほど前,化石燃料・石油という資源の発見は、
それまでの貧しく過酷で不平等の社会から、平等で、便利で豊かな暮らしをもたらしました。
ギャラリー空間 新しい梁
2010年9月23日
空間を広げるため、に新しい大きな梁をいれます。
天竜産・天然乾燥の杉材です。
丁寧に鉋をかけると、人口乾燥・機械削りにはない美しいツヤがでます。
新築ではないので、既存の構造に大きな梁をいれていくのは、苦労するところです。
お施主さまも満足のご様子。
45度と魚つき林
2010年8月5日
木材の乾燥については、以前に書かせていただいていますが、 先日数年前から気になっていた、愛工房の低温乾燥機に入ってきました。 この乾燥機は木材を乾燥させる為のものですが、ヒトが入っても良い効果があることを
http://www.reformlab.jp/blog/cat81/cat94/
体験させていただきました。
人工乾燥と天然乾燥にはそれぞれメリットデメリットがあり、
目的に応じ、使い分けるべきだと思いますが、
人工乾燥のデメリットの一つとして、木の持つ脂分まで抜けてしまう。ということがあります。
木のもつ脂分は、木を守り腐りにくくし、精油の効果も見過ごせません。
防虫・防臭や抗菌作用に加え、
杉の精油の鎮静・リラックス効果
ヒノキやヒバは、やる気の効果が高いそうです。
日本の森林の約4分の1を占める杉材を積極的に使っていくことが、大切な課題で
すが、その杉材の乾燥はとても厄介なものです。
杉を愛した乾燥機の開発者、愛工房の伊藤さんの発想は、
木にストレス・負担をかけずに水分を抜くということでした。
一般的な人工乾燥機は、100度以上の加熱蒸気で、水分とともに脂分まで抜け
てしまいますが、
40度から45度という低温で、自然に水分だけを抜くという方法です。
人が低温サウナに入ると気持ちよく汗を流せるように、「木にも汗をかかせよう」と
いう発想です。
食の世界でも、低温調理のローフードから酵素を摂ることで健康増進やダイエッ
トにも効果があるといわれています。
45度という温度が気になります。
伊藤さんの低温乾燥機の中に入ると、100年前の杉が吸い上げたきれいな水分と、
杉の香りのリラックス成分で、とても気分がよくなるという場所でした。
国産材を積極的に使う活動されている、 「適材適所の会」の加藤さんからも、とても
興味深いお話しをしていただきました。
その中で、印象に残ったことばです。
「魚つき林」(ウオツキリン)
「山が死ぬと水が死ぬ。
水が死ぬと川が死ぬ。
川が死ぬと海が死ぬ」
郷田実(元宮崎県綾町村長)
すべては繋がっていて、その中にヒトもいる。
このことを忘れたくはありません。
チルチンびとの取材で再び
2010年7月26日
数多くの素晴らしい家をみている専門家の方から、大工や左官仕事の丁寧さや技術力。 工事中の3本の梁はこの工事を象徴する、3本の梁です。 今まで家を支えていた古い梁は引き続きその役割を担い、天井の内側に隠れました。 古いものが、新しい役割を担い、新しいものと共存・調和し、オリジナルの空間を作れたこと。 この仕事していて、本当に良かった。と感じる、大切な時間でした。
昨日はチルチンびとの取材でまたまた、お客さまのお住まいにお邪魔してきました。
そして、爽やかで明るい色気のある家。とお褒めのことばを頂きました。
リビングダイニングを広くするために新しくいれた1尺2寸の平角の梁は、この家を支えます。
今までロフトで頭をぶつけていた丸太の梁は、塗装を脱ぎ捨て、新たに鉋をかけて、
あらためて1階のリビングの化粧の梁として、新しい役割を担います。
何より、快適に住まっていただけていること。
お施主さま、職人さん。私たちをささえてくださっている皆さまに 感謝!
玄関ニッチを珪藻土で
2010年6月6日
ご両親から受け継いだお住まいを大切にするお施主さまの改修のご紹介です。 筋交いとスィッチの間の小さな空間を利用して、玄関の壁にニッチを作りました。 いつもお願いしている珪藻土の職人のゆきちゃんと、藤元くんが今回も、すばらしい仕事をしてくれました。
小さな空間ですが、無垢の杉のカウンターと、お客さまと相談しながら決めた珪藻土のメリハリのある文様が、さりげなくも存在感のある場所になりました。
お客さまをお迎えする素敵な空間として、これから活躍してくれますように!
自然エネルギーの利用
2010年4月27日
自然の力の利用:パッシブという選択
パッシブソーラーの選択
土間
雨水
落ち葉の堆肥
太陽光は是非利用したい。太陽光発電。太陽光温水器。またハイブリッドソーラーやパッシブソーラーなど各メーカーにもそれぞれ特色、工夫や発明があります。
その中で世田谷区下馬の家で選択したのは、環境創機さんのパッシブソーラー「そよ風」です。
アクティブソーラーである太陽光発電は、メーカーの企業努力からソーラーパネル自体の耐用年数も伸び、また温暖化対策から、国も普及を再び積極化するようですが、その生産にかかるエネルギーや、コントローラーの耐用年数とメンテナンスコスト。そして最終的に土に還らない。という点、そしてコストという点でも、難しい選択肢となりました。 パッシブソーラーのシステムにもいくつか選択肢がありましたが、最終的には、環境創機さんの「そよ風」を採用することにしました。 パッシブソーラー草分けの開発者である友伸平さんのものつくりに対する姿勢は、日本の開発者としての真摯さ、何より良いものを適正に、多くの人に広めたいという姿勢に共感をしました。 断熱をきちんと執ることを前提とし、冬は太陽光の熱を屋根から集熱し、その熱を床下に落として、暖かい空気を部屋全体に届けます。 夏は、太陽が沈んだ後の放射冷却を利用し、各部屋に涼しい空気を届ける、冬暖かく、夏涼しいというしくみです。 家の大きさに比べ、南面の屋根が小さいこともあり、100%の性能を引き出すことは難しいようですが、断熱をきちんと入れることとあわせ、夏冬の冷暖房の効率を高めることが出来れば、エネルギーコストの節減にもつながると考えます。そして何より、環境負荷が小さいという点がうれしいシステムです。 土間と東からの朝日: 土間は、エコと機能性、また人とのつながりにも是非取り入れたい空間です。 南側に土間を作ることで、冬場は低くさす太陽の光が土間に蓄熱し、その空気が部屋を暖めてくれます。 そして何より土間は外と内をつなぐ中間の場所として、収穫したものを一時的に処理する場として、また訪れる人を気軽にもてなす場としての、とても便利な場になります。 夏の暑さ対策は、バラ・ゴーヤや葡萄などのつる性の植栽で、日陰を作ります。緑のカーテンは普及がめざましく、街を歩いていてもよく見かけるようになりました。 そして、大切な朝の東からの太陽。 植物や作物を育てる為には、何時間もの日の光より数時間でも東からの光が大切と言われますが、人間にとっても、朝の光を浴びることが体のリズムを整えるために大切です。 出来るだけ東南から光を室内に届けることが、健康と快適さには、大切なことと考えます。 雨水タンク 水道代と資源の節約の為、雨水は是非利用したいものです。 車の洗車や、植物への水遣りなどはもとよりパーマカルチャー塾で神谷先生(設計計画水系デザイン研究室)に教えて頂いたのですが、 降り初めの雨水は大気中のゴミや埃が混じっていますが、それさえ取り除けば、まじりっけ無しの純粋軟水なので、洗濯モノは真っ白になるとのことです。 日本ほど水に恵まれた国はありませんが、大切な資源である雨水の利用は、是非導入したいものです。
「雨水市民の会」
緑のカーテンは、随分ポピュラーになりました。 2010年4月27日 「剛と柔」 「伝統と新しい技術」「パッシブ・アクティブ」
奈良薬師寺の東塔(向かって左)・金堂(真ん中)と西塔(向かって右) エコロジーの世界にも剛と柔があります。 太陽光や風・樹木等の自然や,そのエネルギーを上手に利用したり、土壁や庇・打ち水やよしずなど古くからの伝え続けれらたヒトの知恵を上手に利用するのが、パッシブ・柔であるのに対し、ハイテクを駆使し、動力等を使った装置を使うのが、アクティブ、剛になるように思われます。 ソーラーパネルの太陽光発電やハイブリッドカーはその代表選手でしょう。 既存のガソリン車や、石油エネルギーを使い続けることと比較した場合、CO2の排出が抑えられる事も数値化されています。 しかしながら、果たしてその製品を作るコストやエネルギー。耐用年数とメンテナンスコスト、そして最終的にゴミになった時の事などを考えた場合、実際の所、どうなのであろうかは、多くの議論がある所です。 どちらを選択するかは、経済性や価値観・目的によりますので、出来る限り、正しく適正な情報から判断することが肝要かと思います。 少なくともエコだから、太陽光発電をしているから、電気をいくらでも使っても良い。 ハイブリッドカーだから、車もどんどん乗っても良い。という考え方だけは避けたいものです。 建築の構法にも剛と柔があります。 コンクリートや、鉄骨などの頑丈な構造体には安心感があるでしょう。木造でも、金物でがっちり固めることが、丈夫で安心であるという考え方があります。 一方、木と真剣に向き合う大工職人は、口をそろえて「木と金物の相性は悪く、時間が経過すれば、金物がゆるみ、腐ってくる」といいます。 また、無垢材は個体差がある為、客観的に強度を数値化することが難しい一方、工業製品である集成材は、数値化が容易な為、数値化できるものを、強いといいます。 剛構造・高気密・高断熱や外断熱が、良いとする風潮もあります。 高温多湿の日本では、昔から、「家造りは夏を旨とせよ。」といわれ、冬は寒い家になってしまいましたが、家と住む人間の、健康や快適さを考えれば、「風通しを良くすることを忘れず、冬も快適にすることを考えるべきではないでしょうか。 地震から家を守る為に、頑丈といわれる素材でがっちり固め、沢山の金物を使い、あるいはハイテク技術を駆使した免振・耐震構造技術を開発し、カビや結露・シックハウス対策の為に、24時間換気という動力装置を入れ、一部の心無い建築業者を取り締まる為に、法律が厳しくなり、また少しでも安くという価格至上主義は、安い材料で量産・工業化住宅となっています。 顔の見える人と人との信頼関係よりも、10年保証という保証書の方が大切になっていますが、保証が終わった10年後はどうなるのでしょうか? 自身の仕事に誇りをもつ職人は自分のつくったものは、一生の責任をもって仕事をしてます。 地震国日本は古くから、木造の伝統構法は本来釘や金物を使わない、柔の構造でした。 大工により刻まれた、仕口や継ぎ手で組まれた木組みの家は、しなやかさで地震や台風から人を守ったものです。 長い庇や土壁が夏の暑さをさえぎり、冬には断熱の役目を果たし、障子や襖が、光や温度を調節します。 宮大工、西岡棟梁のことばの中に、 法隆寺の修復に携わり、様々な時代の工人による補修の痕跡をみると、1300年前の飛鳥の工人を超えるものは無いという事が書かれていました。 日本の建築文化が飛鳥の時代に確立していたということを、今一度よく考えてみたいものです。 先人の知恵に学び、本質をはずすことなく、新しい技術を取り入れていく。 「剛と柔」「パッシブとアクティブ」「ハイテクと伝統」それぞれの特質を理解し、バランスよく取り入れること。 それが本当の進化の形だと考えたいものです。 2010年4月26日 私が、初めて天竜のTSドライさんを尋ねたのは、天然乾燥にこだわった材木を生産・流通されていたからです。 山での3ケ月の葉枯らし乾燥と6ケ月以上の天然乾燥を行い、さらに一本一本の木をバーコードで管理するトレーサビリティを確立し、そして 木曾に近い美杉の産地であるという理由もありました。 現在流通する材木のほとんどは、人口乾燥材が主流で、天然乾燥材を入手するには、一年以上前から準備を必要とするのが一般的ですが、、天竜のTSドライさんは天然乾燥にこだわり、在庫をもって産直という形で生産・流通しています。 材木は一般的に原木市場に入りますが、市場に入った材木の産地をすべて信じることは困難である。というのがこの業界の常識だそうで、その意味でもトレーサビリティを確立されているということは、大変なことでしょう。 農産物や食品の世界と同じように、素性と作り手を明らかにする事は、手間と時間のかかる事ですが、何より製品に対する信頼を得る大切な努力です。材木の世界でも実現されることは、消費者にとっても、とても良いことだと思います。 ちなみに、 人口乾燥材が主流の理由は、人口乾燥材でないと納入先から反ったり暴れたりというクレームが来るからだそうです。 プレカットが主流の現在、材木は機械に入れるためまっすぐで表面が割れていないものでないと都合が悪いのだそうです。 確かに、プレカットにとって人口乾燥は必須の技術です。 しかし木の一本一本をみて、くせや曲がる方向をよみながら、手刻みをする場合には、人口乾燥は不要で、高温で乾燥された硬く乾いた表面に、のみやのこぎりをいれるには、骨が折れるようです。 しかも仕口や継ぎ手による木組みの工法の場合、いずれ内部割れを起こす可能性の人口乾燥材を使うことは大きなリスクを抱えることになります。 天竜TSドライさんは伐採期間も10月から3月の水のあがらない冬場に限定しています。採算の為、一年中伐採する産地もあるようですが、良い製品に責任を持って提供されることは、ありがたいことです。 また 冬の新月の期間に限定し、伐採後は天然葉枯らし乾燥を経て約1年間以上乾燥させた「ノイモントホルツ」という材も提供しています。 日本でも古くから、吉野等では「闇伐り」という言い伝えがあり、法隆寺の柱も「闇伐り」といわれています。 新月伐採が科学的に証明されているわけではないようですが、経験的に新月に伐った木の細胞には、水分やでんぷんの量が少なく、虫がつきにくいということがいわれているのだそうです。 30年住宅か、100年住宅か。家をつくる際に、どちらを選択するはよく考えることが大切です。 天竜TSドライさんは深い深い山の中にありました。木が横に生えてしまうほどの、切り立った山です。杉だらけなのですが、花粉症で悩む人は少ないそうです、杉花粉は、都会の空気とまざりアレルギーを引き起こすという一説も・・・ 一本一本の材木につけられるバーコード。最初の06は伐採年の2006年。管理番号や事業者コードが続き、Jというのが樹齢100年以上という記しです。 向かって左がTSドライさんの天然乾燥の杉。外側には割れがありますが、この割れは強度には影響がありません。 右側は、天竜産の杉の人口乾燥材。同じ杉ですが、全体的に黒くなっていて、内部が割れています。
そよ風の実物モデル 開発者の友伸平さん
ダイレクトゲイン・植栽・パーゴラ
3つの東南角。向かって右側からキッチン・リビング・土間の間取り。
天の水を尊ぶという素敵な名前の雨水タンク「天水尊」。
海外でも活躍されている ,雨水博士の村瀬誠さんは、雨水利用の第一人者です。
収穫を楽しめるゴーヤは、夏の必須アイテム。
塩だけの味付けで豚肉とごま油で強火で炒め、鰹節を沢山かけるのが、お勧めです。
パスタにいれても、苦味がさわやかで、あきません。剛と柔
天然葉枯らし乾燥、トレーサビリティのTSドライ