この10月、榊原さんは天国に行かれました。 これからもっともっといろんなことがしたかったのだろうけど、せっかちな榊原さんは、逝ってしまいました。 2008年、私は国産の木材。天然のままの、すっぴんの木材を探してたどり着いたのが、天竜水窪のTSドライでした。 一緒に行った大工の伊東は、新月かなんだか迷信っぽいなぁ・・・ っとちょっと斜め目線。 新幹線とローカル線を乗り継いで、深い深い隣りは木曽の山の水窪についたのはお昼すぎでした。 初めてお会いした榊原さんは、この動画のように早口で、月齢伐採・葉枯らし天然乾燥材の説明を熱くしてくださいました。そして斜め目線の大工の伊東もこの材の素晴らしさに、惚れ込んだのでした。 http://ytune.pk/watch/749o0o-Jrmo/.html 人工乾燥材も様々ですので、全てが良くないわけではありません。 ただ、本来木材がもっている素材の力を高温乾燥機で奪ってまで、プレカット工場や現場の大工さんが使いやすい、あるいは表面的な見栄えを優先してしまうことは、抵抗があり、できるだけ素の素材が欲しい。ということから、天然乾燥材を探したのです。 2008年当時、木材の話をする榊原さんは、熱く力強かったのですが、60歳の年齢よりは若干お疲れの感じで、「林業はやはり、大変な仕事なんだなぁ。」と思ったものでした。 それから、7年間。 榊原さんは、木材や建築関係に限らず、天然の素材の良さ。月の暦に添い生業をする人たち。大学などの研究者等など、ありとあらゆる縁があれば、日本全国どこにでも駆けつけ、交流を重ね続けました。 きっと、同じ価値観・志を持つ人たちからの元気や応援を沢山もらったのでしょう。 榊原さんの志は全国の共感する人々に伝播しました。 この7年間で天然素材としての日本の杉のすばらしさは、単に構造材としてだけでなく、天然の精油成分が私たちに心地よさとともに、命をまもり、健康につながることが、科学的に解明しつつあります。 命の源となる森林のかけがえない価値感も、浸透しつつあります。 天国の榊原さん! だから見守っていてください。 榊原さんと縁を結んだ木造建築家、落合俊也さん、やましたしんいちさん、瀬野和広さん、松井郁夫さん、三澤康彦さんによる天竜の特集が、住宅建築の今月号にも記載されていますので、是非ご購読ください。
そして年を経るごとに榊原さんは、どんどん元気になっていくような印象がありました。
私たちは榊原さんの「山にお金を返したい。」「天然素材のすばらしさを伝えたい。」その志を、つなげるよ。